20数年生きてきましたが、ほんの2、3年前まで体毛が濃いというのがコンプレックスでした。
小学校、中学校、高校・・・「学校」と呼ばれるところの授業の一つとして「体育」は必ずありますよね・・・。
どんなに猛暑であっても、必ず長袖の服、長ズボンを着用していた私ですが、体育の時は決まって「体操服」に着替えるわけです。
するとね・・・見えちゃうんですよね、一般的な男性や女性と比べて、明らかに剛毛と呼べるほど体毛が生えている腕や足が・・・。
付き合いの長い、仲の良い男友達とかは理解してくれていたので、良かったんですが、問題ははじめて自分の体毛を見る人なんですよ。
「なにあれ・・・」
「やばくない?」
「濃すぎwww」
「病気じゃね?」
聴こえないくらいのボリュームで言っているつもりなのかもしれませんが、正直どれも丸聴こえだったんですよ。
彼ら、彼女らを攻める事はできません・・・なぜなら、私が相手側の立場だったらきっと同じ反応をしていたと思いますし。
でも、そうと分かっていてもやっぱり傷つくものは、傷つくんですよ・・・。
一年中見てれば周りの目も慣れてきて、クラスの人達は気にしなくなりますが、学年が上がる際に発生するクラス替えとかは、かなり嫌でしたね(苦笑)
なので、季節的には春が一番嫌いな季節でした。
コンプレックスを持っている自分でしたから、たとえ長袖の服、長ズボンを履いていて体毛が見えない時でも、何か形容しがたい後ろめたさのようなものがあって女性と満足に会話する事ができませんでした。
コミュニケーションがあまり取れないって事は・・・もう、お分かりだと思いますが、彼女はずっといませんでした。
彼女がいないって事は、当然童貞なわけで、19歳の誕生日を迎えた時
「あぁ、きっと自分はこのまま一生童貞なんだろうな・・・」
と思った事を、今も覚えています。
そんな私を見かねての事だったと思います。
20歳・・・成人式の時に、昔仲の良かった友人や、進学などで地元から離れていた親しい友人と会う機会があったんです。
成人式が終わり、久々の再会を祝して居酒屋で仲間達と飲みました。
飲み会が終わり、そのまま解散になるかと思ったのですが、なぜか集団で風俗へ行く流れに・・・。
勿論、私は風俗などというものは一度も利用した事がなく、セックスに近い事を行う場所だというイメージがありましたから、裸を他人に見せる事に抵抗のある私としては、断固として拒否したのです。
ですが、お酒が入っていたという事もあり、拒否の申請は通らず、そのまま流される形でソープランドを利用する事になってしまいました。
入店の時は、集団でしたので、まだどこか安心している自分がいましたが、個室へ案内され一人で風俗嬢を待っていると、急に恐怖が襲ってきました。
全身から血の気が徐々に引いていくのを感じました。
「友人には悪いけど、もう家に帰りたい!はやくここから出たい!」
そういう焦燥の感情が沸いてきました。
しかし、それでも私がその場から逃げ出さなかったのは、やはり友人を裏切りたくないという気持ちが強かったのだと思います。
しばらくすると、葛藤する私など御構い無しかのように、風俗嬢が入室してきました。
気が気ではありませんでしたが、何とか合わせてそこそこ会話を弾ませます・・・ですが、ここはキャバクラではありません。
ソープランドです、セックスをするための場所なのです。
着ている衣服を脱ぎ去り、裸で対面する時間がやってきました。
「絶対にドン引きされる!キモイと思われる・・・」
いつものように、そう思いました。
コンプレックスを持っている人には共感してもらえると思うんですが、相手が自分を見てどこか引いているのって「目」でわかるんですよね。
「目は口ほどにものを言う」
なんてコトワザがありますが、全く持ってその通りだと思いますよ。
口や態度を誤魔化していても、目は誤魔化せないんです。ましてや、自分にコンプレックスのある方は、コンプレックスの無い方より、その点において敏感だと言えますから・・・。
しかし、その時担当してくれた風俗嬢からは、ドン引きしているような感じは見受けられませんでした。
今まで、はじめて自分を見た人は全員といっていいほどドン引きしていたので、はっきり言って驚愕でした。
「僕の体を見て・・・何とも思いませんか?キモイとか?毛が濃いとか・・・」
おそるおそる風俗嬢にそう言うと、返ってきた返事はアッサリとしたもので
「全然!別にちょっと、毛が濃いくらいじゃないですか!?」
そのアッサリとした返事で、自分の中の何かが変わった気がしました。何かが変わるのって本当に些細な事がキッカケだったりするんだな、って心底思いましたね。
自分が勝手に「一般的」っていうラインを作ってしまっていた事を痛感しました。
自分が「変わってる」って思ってる事も、人によっては「普通」や「ちょっと変わってる」くらいなんだって・・・。
唐突に、僕の中に一筋の光が射した気がしました。
今まで、何かよくわからない後ろめたさから、女性の顔すらまともに見れませんでした、目を見て会話をしてしまうと、相手の負の感情を読み取ってしまいそうで・・・。
でも、今の僕は違います。
真っ直ぐに風俗嬢を見つめることができたのです。
その時です、僕の息子が僕の勇気に呼応するかのように、勃起しました。天を突かんとばかりにギンギンにそそり立った一物は、かつての自分の一物ではないかのような怒張率、そして硬度を兼ね備えていました。
「わぁ!大きい!」
一物を見て風俗嬢が発したその一言は、僕の理性のタガを外すには十分すぎました。
「童貞には、童貞なりの戦い方がある」
「他人はどうでも良い、俺がどうしたいか、それだけだ」
俺は、知っている知識を総動員させ、セックスを試みました。
・・・
セックスが終わった後、風俗嬢に少し笑いながら言われました。
「童貞だったんじゃないですか?」
やはり、セックスのエキスパートとも呼べる風俗嬢にはバレていたのです。
恥ずかしがる事はないと思いましたので、胸を張り力強く一度だけ頷きました。
「やっぱり・・・でもすごい頑張ってましたよね♪」
「思わずイキそうになっちゃいましたよ!」
笑顔でそう言われ、少しドキリとしました。
勇気を出してよかった、友達を裏切らず逃げ出さなくてよかった、風俗を利用してよかった・・・。
心の底から、そう思えた風俗初体験でした。
プレイ終了後、店の外で友人達と合流しました。
「おっ!その顔は、無事童貞卒業できたな!コノヤロー(笑)」
「よくやったよ!お疲れ様!」
そう友人達から言われた時、自分のために風俗利用を企画してくれたのだと気付きました。
本当に自分には勿体無さすぎる、良い友人達ばかりだと改めて思いましたよ。
今では、あれほど気に病んでいた体毛の濃さも全然気にならなくなりました、自分に自信がついた・・・というヤツなのかもしれません。
友人達ありがとう、風俗嬢ありがとう、ソープランドありがとう・・・って、本当に思いますね。
管理人から一言
今回の童貞喪失体験は、管理人の大学生時代の後輩U君から聴かせていただきました!
おそらくなんですが、コンプレックスと無縁な人ってあんまりいないんじゃないでしょうか?
何を隠そう、管理人も昔コンプレックスがあって、結構悩んだ事があります・・・。
でも、やっぱりそれをどう克服するか・・・というか、気にしないようにするかって事が大事なんですよね!
それを改めて、教えてくれたU君の体験談でした!