生まれてこの方、彼女が出来た事なんてただの一度だって無かった。
性に目覚めた中学校、そして高校・・・そのどちらも男子校ではなく、男子女子の比率的にも1:1な学校だったが、女子とは悉く縁が無かった。
同じ教室という空間で、同じ授業を受けていた。
空間単位で考えると、共に過ごした時間はかなり長いと言えるはずなのに、俺はクラスの女子達について全くと言っていいほど知らなかったし、何より当時自分の頭の中を占領していた性の対象は、決して同世代の女子などではなかった。
歳上・・・それも1歳や2歳程度の歳の差ではなく、自分と1回り以上歳の違う女性・・・そう、俺の性癖、性的興奮の極値は熟女だったのだ。
はじめは自分だけ認識していたこの性癖も、大学に入り親しい友人が増えるにつれて情報漏洩、周知の事実となった。
同世代に全く性的興奮を覚えない自分だったが、それは三次元に限った話で、二次元・・・つまり、アニメや漫画のキャラクターであれば、年下から年上まで守備範囲は広いと言えた。
なので、大学に入ってからしばらくは、帰るなり自宅に引きこもり自慰行為に勢を出していた。
前置きが長くなったが、そんな俺の転機となったのが友人から教えられた「熟女専門の風俗」だった。
件の風俗は、学内から徒歩で10分程度の所にひっそりと佇んでおり、その存在を知ったときは
「学生が大量にいる大学の近くに、こんなマニアックな店があっていいのかよ・・・」
と思ったものだ。
友人から熟女専門風俗の情報を知った俺が、その店へ足を運ぶのにはそれほど期間を必要としなかった。
というのも、友人から風俗店の存在を知らされてから、何をするにもその事ばかりを考えるようになってしまっていたからだ。
「考え続けることに何の意味がある、一度行ってしまえば解決するではないか」
・・・と自分の中で結論を出すのに1週間ほどかかったものの、結論が出た当日に俺はその風俗店へと向かった。
建物の前に来るなり、俺の股間は正直ギンギンに勃起していた。怒張という言葉がしっくりくる、息子の姿がそこにはあった。
万札を財布に入れることも無く、裸のまま握りしめ、俺は友人から教わった熟女専門店に足を踏み入れる。
入店と同時に香ってくる強烈な雌の臭い、それは若い女性からは絶対に発せられる事のないフェロモンのように感じた・・・といっても、若い女性と接した事がないのであくまで予想に過ぎないが・・・。
兎にも角にも、俺は今日熟女とプレイをしにきたのだ、自身がまだ十代であった頃から惹かれていた熟女というジャンルを体験しにきたのだ。
受付の男性店員から
「指名はされますか?」
と聞かれ、ほぼ即答気味に
「ありません!」
と答えた。この時の発声、声のボリュームはおそらく今まで生きてきた人生の中で最も大きかったと思う。
内装や照明の色が明らかに妖艶な一室に案内され、待つ事数分・・・彼女は現れた。
薄いスケスケの・・・ランジェリーというヤツだろうか?そんな下着(?)を身に纏った、彼女は自身を「ルミコ」と名乗った。
体格としては、痩せ気味であり腹に肉も付いていない、胸もさほど大きくない、まな板・・・と形容するのは少々言いすぎな気がしたが、まさにモデル体型と呼ばれる体型に近い肉体がそこにはあった。
最も特徴的だったのは、目である、切れ長で目つきがかなりキツイ・・・こちらを隅々まで観察するかのようなネットリとした目線は、俺の興奮を高める材料としては十分だった。
なぜなら、そのくたびれた風貌、眼差し、これこそ俺の想像していた熟女そのものだったからだ。
興奮を抑えつつ、こちらが服を脱いでいると
「ヤルの?」
という短い質問が彼女から飛んできた。
お金を払ってプレイをしに来ているのだから「ヤル」のは当たり前である・・・となると、この問いの意味は・・・俺は雰囲気から即座に、その「ヤル」が本番行為だという事を看破した。
ゴクリと唾を飲み込み、声を上げず首を一度だけ縦に振る。
その頷きが何かの合図であったかのように、彼女はランジェリーを素早く脱ぎ去ると、ヌルりと俺に体を預けてきた。
その動きはとても手馴れている感じがして、俺は彼女が風俗嬢であるという事を再認識させられた。
蛇が体を這うように、全身を快感が駆け巡る。
今彼女が自分のどこに触れているのかも分からないほど、俺はパニック状態になった。
自慰行為とは明らかに違う全身に迸る快楽、これが熟練の技、熟女の技であろうか・・・否、一般的な女性とのセックスは普通こうなのだろうか・・・。
頭が上手く回らない・・・はっきりと自我を取り戻した時、俺は射精していた。
「お疲れ様♪」
そう言われ、やっと現実に帰ってきた気がした。
俺はたった今、女性とセックスを行ったのだ。挿入を・・・本番行為を行ったのだ。
プレイの後一息つき、落ち着いたところで彼女と話をした。その時利用したコースは45分コースだったから、会話をしたのは10分くらいだったと思う。
彼女の話によると、俺が射精した体位は騎上位で、コンドームは彼女が着けてくれたらしく、一物をアソコに挿入した途端乱暴に腰を動かし始めたとのこと。
突き上げられながら顔を見たところ白目をむいたまま、一心不乱に腰を動かしていたので少し怖かったらしい。
自分が行った行為の一部始終を、相手から聞くというのはかなり滑稽な気がした。
話をしている時の彼女は、最初に感じた印象とは真逆で「面倒見の良い、お母さん」という言葉がぴったりな・・・とても性格の良さそうな女性であった。
おそらく、こちらの顔が素の姿なのだろうと思いつつ同時に、もうこの人とはセックスできないな。とも思った。
その後、大学在学中は一度もその風俗店を利用する事はなかった、一度熟女を体験して自分の中の何かが変わったのかもしれない。
そんな俺も今では立派な社会人となった。
この前ふと「ルミコさん」のいた熟女風俗店が気になり、休日に足を運んでみたが、風俗店は既に無くなってしまっていた。
今も時々思い出す、ルミコさんとの初体験・・・彼女は今どこで何をしているのだろうか。
管理人から一言
「少々盛ってるところもあるかもしれない(笑)かなり前の話だからな~」
と苦笑いしながらN君は話してくれました!
追加で少し話を聞いたところ、その風俗店のジャンルは「ヘルス」だったらしいです。
本来ですと、本番行為は禁止されていますから、店側にバレなくて良かった。・・・というところでしょうか(笑)